マレーシア在住の臨床発達心理士・三好先生のご協力のもとでGaliniの実証実験が実現しました。三好先生はマレーシアで唯一の日本人臨床発達心理士として、クアラルンプールのToy Eightを主な拠点に活動されています。
日本人家族に限らず、児童発達支援や保護者支援、ペアレントトレーニングなど、日本的な療育を幅広く展開。言語指導、作業療法、デイリートレーニングといった多角的なアプローチで、子どもたちと家族に寄り添っています。
三好先生はこれまでも、認知行動療法やマインドフルネスをセッションに取り入れてきました。しかし、「手応えは感じるものの、効果が数字で見えにくい」という課題を長年感じていたといいます。
そこで注目したのが、EEGセンサー搭載デバイス・SenzeBandとGaliniアプリを組み合わせたNeeuroのソリューション。脳波データをもとにストレス状態を可視化できる点が、三好先生の課題意識と合致しました。
Galiniを使ったストレスマネジメント実証実験のきっかけ
日本人が海外に移住・赴任するということは、特に生活が安定するまでの初期において、日常的に高いストレスにさらされることを意味します。言葉が通じない、生活習慣が違う、サポートネットワークもない。そのような環境の中で、企業や教育機関は着任後すぐにフルパフォーマンスを求めます。今回のトライアルは、そうした課題に対して「テクノロジーで何ができるか」を探る試みでもありました。
三好先生は、Toy Eightでの児童支援に加え、マレーシアの教育機関でも教師の方々と接する機会があります。マインドフルネス指導や、ストレス・不登校・海外生活への不安といった相談に応じるなかで、先生方との信頼関係を築いてきました。あるとき、ご自身も別の目的でSenzeBandを使用していた三好先生が「こういうツールがあるのですが」と紹介したところ、教師の方が強い関心を示し、今回のトライアルへの参加につながりました。
また、別の縁で知り合った企業経営者の方も参加者のひとりです。日本にいる頃からストレスが多く、「こういうものをぜひ試してみたい」という意向を持っていたといいます。
Galiniを使ったストレスマネジメント実証実験の概要
実施体制
本トライアルは、三好先生の監督のもと、マレーシアの教育機関および企業に所属する成人5名を対象に実施しました。期間はそれぞれ約1か月間です。
期間と方法
使用ツール: GaliniアプリおよびSenzeBand(1名はSenzeBandなし・アプリのみで実施)
- 頻度・時間: 週3回以上、1回あたり10分のセッションを3週間継続
- 評価方法: セッションの前後に、三好先生が独自に用意したストレスマネジメントカードを使用し、参加者自身が現在の心理状態を表現・記録。その変化を集計・分析しました。
ストレスマネジメントカードは、感情や身体感覚、ストレス要因(ストレッサー)、対処行動(コーピング)の3種類から構成されており、それぞれを文字とビジュアルで表現したツールです。選ぶカードの種類や枚数の変化を追うことで、主観的な心理状態の推移を記録できます。
なお、1名はSenzeBandなしでアプリのエクササイズのみを実施しており、デバイスありとなしとの比較という側面も、今回のトライアルに含まれています。
S(ストレッサー)とR(反応)はセッション後減ることを、C(コーピング)は増えることを期待しています。
実証実験の結果とユーザーの感想

1か月のセッションの前後における、5名の参加者のカードの種類と枚数の変化を示す一覧表を作成しました。

本実証実験では、参加者ごとに異なる結果が見られました。これは、ストレスの感じ方や対処方法が本質的に個人差の大きいものであることを示しています。一方で、多くの参加者において自己評価によるストレス反応スコアの低下が確認され、さらにストレスへの対処法(コーピング)の認識が増加しました。これらの変化は、認知行動療法(CBT)の考え方に基づくアプローチで想定される方向性と一致する傾向が見られました。
また、ある参加者では、セッション後にストレス要因への気づきが大きく高まりました。これは、心身の状態が悪化したことを示すものではなく、自分自身のストレス状態を客観的に把握する力(セルフモニタリング能力)が高まった可能性が考えられます。
一方で、別の参加者では、使用するコーピング方法の数が減少しました。しかし、担当した臨床心理士との振り返りでは、これは対処法を失ったことを意味するものではなく、自分に合った方法を意識的に選択し、より効果的な対処法へと整理・定着した結果である可能性が示されました。
参加者からのフィードバックでは、ストレス状態を客観的なデータとして可視化できたことに価値を感じたという声が寄せられました。また、多くの参加者が、睡眠の状態や身体の緊張感、気持ちの落ち着きなどについてポジティブな変化を感じたと回答しています。



これらは参加者本人による主観的な感想であり、本実証実験によって効果を証明するものではありません。なお、1名の参加者は、セッション以外の日常生活でも自発的に学んだ呼吸法を実践しており、習得したスキルを日常生活へ取り入れる様子が確認されました。
これらの結果から、少人数の実証実験であっても、ストレスへの反応や変化のプロセスには大きな個人差があることが確認されました。そのため、ストレスマネジメントでは一律のアプローチではなく、一人ひとりに合わせた個別最適化の重要性が示唆されます。
Galiniストレスマネジメントでの発見・考察
今回の結果を踏まえると、Galiniの効果が特に現れやすいのは、真面目で継続的に取り組める方という傾向が見受けられました。毎回きちんとセッションをこなす方は、それだけデータが蓄積され、変化も見えやすくなります。一方で、「今日は面倒だからいいか」とセッションを飛ばしがちな方は、ストレス自体が高くないケースも多い状況です。
日本の学校教育の現場、日本・シンガポール・韓国といったいわゆる「ストレス社会」で働く方々「特に真面目で責任感が強く、逃げ場を失いやすい方」は、Galiniが特にフィットしやすい層だといえます。企業においても、ストレスで心が折れてしまう方の多くは、まじめに頑張り続けてしまうタイプです。そうした方にこそ、客観的なデータでセルフケアを促すGaliniの価値があると感じています。
参加者がSenzeBandを自宅へ持ち帰り、日常生活の中で継続して使用できたことが、本実証実験の重要なポイントであったと、三好先生は述べています。施設内でのセッションのみでは、デバイスの操作方法を習得することに多くの時間が割かれ、実際に継続して活用する段階まで十分に進めない可能性があるためです。
こうした三好先生のコメントからも、GaliniとSenzeBandは、利用場所や時間を限定せずに継続しやすいという特徴を備えていると考えられます。例えば、忙しいビジネスパーソンであれば、昼休みの10分間や帰宅後、就寝前など、自身の生活リズムに合わせてセッションを取り入れることができます。このような柔軟性は、セルフケアを日常生活の中で無理なく継続するための環境づくりに役立つ可能性があります。
今後さらに期待されるのは、日常生活の中でのデータ取得です。スマートウォッチのように常時データを計測できれば、「どの時間帯に最もストレスが高まるか」「どの場面で集中力が途切れるか」といった個人の傾向が、より精緻に把握できるようになります。
また、子育て支援の文脈では、「親のかかわり方がストレスの原因になっているのでは?」という仮説の検証にも活用できる可能性があります。データをもとに、ペアレントトレーニングとの組み合わせを検討するといった、より包括的なアプローチへの発展も考えられます。
Galini導入を検討する企業・教育機関のみなさまへ
Galiniの強みのひとつは、ひとつの正解に縛られない多様なエクササイズを提供していることです。ストレスマネジメントやリラクゼーションのアプローチは人によって異なります。音楽で心が落ち着く方、呼吸法が合う方、指先を動かすことで集中できる方。Galiniはそれぞれの「合い方」に応じたセッションを選べる設計になっています。
今回のトライアルでも、「光の刺激が気になる」と感じてスマートフォンを伏せてセッションを行う参加者がいたり、目を閉じることで集中しやすくなったという声があったりと、個人差が鮮明に現れました。
「自分はどのタイプか」を最初に把握しておくことが、継続とセルフコントロールへの近道です。
導入時に自分に合ったアプローチを知っておくことで、日常の中でGaliniをすぐに、そして長く活用できるようになります。ストレスマネジメントをただの「義務」ではなく、自分自身のコンディショニングツールとして使いこなせるようになる。それがGaliniが目指す姿です。
脳の状態を“見える化”することで、集中力を整え、精神的負荷を理解し、長期的なメンタルの持久力を高めることにつなげる。
そんな新しいストレスマネジメントが実現します。
■ GaliniとSenzeBandの詳細はこちら
(Neeuro公式サイト)
https://www.neeuro.com/ja-jp/solutions/stress-management/galini


Leave a Comment