アジアでは急速に高齢化が進んでおり、医療、介護、フィットネス、社会福祉などさまざまな分野の組織が、高齢者が「活動的で自立した生活」を続けられるよう支援する効果的な方法を模索しています。その中で近年注目されているのが、介護予防やフレイル対策の一環としての脳トレーニングと運動の重要性です。 多くの研究により、定期的な脳トレーニングは、シニア世代が健康的な認知機能を維持し、精神的な活力を保つ助けになることが示されています。
本記事では、年齢を重ねても自分らしく過ごすための健康づくりをテーマに、脳トレーニングと運動を組み合わせた取り組みの考え方や、日常に取り入れやすい工夫、そして心と身体を同時に動かすことの大切さについて紹介します。
アジア各国では、かつてないスピードで社会の高齢化が進行しています。
平均寿命が延びるにつれ、多くの高齢者は「考えるスピードが遅くなった」「複数のことを同時に行いにくくなった」「物忘れが少し増えた」といった変化を感じ始めます。これらは自然な加齢変化ですが、活動量の低下と重なることで、フレイルのリスクが高まる可能性があります。
こうした中で大切なのは、単に寿命を延ばすことではなく、健康寿命を延ばし、フレイルを未然に防ぎ、自立した生活をできるだけ長く続けることです。そのためには、身体を動かす習慣だけでなく、日常生活で使う「考える力」「注意力」「判断力」を意識的に使い続けることが欠かせません。
そこで注目されているのが、脳トレーニングです。脳トレーニングは、特別な知識がなくても楽しみながら取り組める「頭の体操」であり、日々の生活を支える力を保つための一つの方法として、多くの現場で活用されています。
定期的に脳トレーニングに取り組むことで、集中しやすくなったり、日常動作に対する自信が高まったりする研究結果が示されています。
一方、運動は脳への血流を促進し、BDNF(脳由来神経栄養因子)の産生を高めます。
多くの国では、脳の健康を支える取り組みが「身体の運動」と「脳トレーニング」を別々の活動として扱っているのが現状です。
しかし近年の研究では、これらを単独で行う「単一領域アプローチ」には限界があり、特に個々人の能力や進捗に合わせて調整されていない場合、その効果が十分に発揮されないことが指摘されています[5]。
近年の研究では、体を動かしながら頭も使う活動、いわゆる「デュアルタスク(運動と脳トレを同時に行う取り組み)」が、より良い効果につながることが示されています。
国立長寿医療研究センターの研究によると、まだ認知症とは診断されないものの、正常な状態とは言い切れない段階の方(MCI: 軽度の認知機能の変化が見られる状態)に対して、身体を動かす運動と脳トレーニングを同時に取り入れた「コグニサイズ」を実践することで、認知機能の衰えの進行を抑える効果があることが明らかになっています。
※「コグニサイズとは国立長寿医療研究センターが開発した運動と認知課題を組み合わせた、認知症予防を目的とした取り組みのこと」[6]
シンガポールのDuke-NUSメディカルスクールが50〜75歳の成人を対象に行ったランダム化比較試験では、運動と認知課題を組み合わせたグループが、脳トレーニングのみを行ったグループに比べ、注意力、言語能力、記憶力においてより大きな改善を示しました。
12週目にRBANS(神経心理検査 )を用いて評価した結果、24週間で48回(各1時間)のセッションを行った参加者において、複合トレーニングの優位性が確認されました[7]。
これらの結果が示す重要な原則は、「身体と脳は一緒に鍛えることで、最もよく機能する」ということです。 [8]
介護施設や高齢者施設では、日常プログラムの中に次のような取り組みやすいデュアルタスク活動(認知症予防運動「コグニサイズ」)を介護予防の取り組みとして導入することができます。
これらは特別な道具がなくても実践でき、日常動作に近い形で脳と身体を同時に使うことができます。継続することで、「動きやすさ」や「自信」につながりやすくなり、結果的にフレイル対策につながります。
活動の大切さを理解していても、同じことの繰り返しでは飽きてしまったり、成果が分かりにくくて続かなくなったりすることがあります。これは多くの介護予防プログラムで共通する課題です。
そのため、福祉や高齢者支援に携わる専門家たちは、楽しく、個別化され、分かりやすい介護予防プログラムを重視するようになっています。
こうした背景から生まれたのが、脳トレーニングと運動を一つの体験としてまとめた「NeeuroBike(ニューロバイク)」です。 脳の健康を能動的にケアするコグニサイズを「身近で、楽しく、測定可能」にすることを目的としたソリューションです。
エアロバイクや椅子に座ったまま使えるペダル運動器をこぎながら、タブレット上の脳トレーニングに取り組みます。軽量で装着しやすいEEG(脳波)測定ヘッドバンド「SenzeBand 2(センズバンド2)」と、ペダルの回転を測るセンサーを組み合わせて使用します。
NeeuroBike(ニューロバイク)は、SenzeBand 2(センズバンド2)とアプリを組み合わせたソリューションで、エアロバイク本体は含まれていません。そのため、福祉施設やジムにすでにある機器を活用できます。
リアルタイムのEEGフィードバックにより、各セッションは利用者ごとに最適化されます。SenzeBand 2は、トレーニング中の注意力や集中度といった指標をモニタリングし、セッション全体を通じた反応を可視化します。このことから、利用者自身も「今日はこれくらい集中できた」と実感しやすく、指導者も経過を観察することができます。
なお、NeeuroBike(ニューロバイク)は医療機器ではなく、診断や治療を行うものではありません。
あくまで、日々の活動を楽しく、前向きに続けるためのコグニサイズをサポートする、介護予防ツールです。
こちらからNeeuriBikeをダウンロードしてデモを試すことができます。(日本語対応)
新しい機器に対して不安を感じるシニア世代は少なくありません。NeeuroBike(ニューロバイク)は、次のような点でこうした不安を軽減します。
複雑な設定が不要:タブレットを使ったシンプルな操作で、センサーの接続も簡単に完了します。
安全で快適:SenzeBandは脳活動を測定するだけで、頭部に刺激を与えることはありません。エアロバイクの代わりに椅子の下で使えるペダル運動器を使用でき、座った姿勢でも取り組めるため、体力に不安がある方も安心です。
運動が「やらなければならないもの」ではなく、意味のある楽しい時間に変わることで、自然と継続しやすくなります。
その結果、高齢者はテクノロジーへの不安を減らし、進歩する喜びを感じながら、無理なくモチベーションを保つことができます。
年齢を重ねても、移動する力や判断する力を保ち、自分らしい生活を続けることは、多くの人にとって大切な願いです。 シンプルな運動であれ、テクノロジーを活用した支援であれ、運動と脳トレーニングを組み合わせることは、フレイルのリスクを軽減し、生涯にわたる健康寿命を延ばす最も実践的な方法の一つです。
楽しさがあり、無理なく続けられ、生活に意味をもたらす介護予防活動を通じて、シニア世代がこれからも長く、心も身体もいきいきと過ごせる社会を支えていくことが求められています。
こちらからNeeuriBikeをダウンロードしてデモを試すことができます。(日本語対応)
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